「金持ち父さん 貧乏父さん」が私にくれたもの

マインド

「金持ち父さん 貧乏父さん」と私

初版は2000年11月。私の社会人1年目に出た本です。当時、この本の存在は知っていたけれど、私は目の前の仕事を覚えることに必死であったのと、読書は好きだけれど良質な文学以外は読まないとの不思議なこだわりがあったためこの本に手を伸ばすことはありませんでした。

さて本の内容としては「金持ち父さん」と「貧乏父さん」というシンボリックなふたりを登場させお金との付き合い方を学んでいくといったストーリーで話は進んでいきます。ふたりの対立軸は以下の通りです。ちなみに私はこちらのペーパーバックも読んでいますが、原文も平易な文体ですので英語の勉強をしている方にもおすすめです。

貧乏父さん

  1. 実の父で将来的にお金に苦労する
  2. 有名な大学を卒業しているいわゆる高学歴で頭の良い人物
  3. お金は諸悪の根源だ
  4. それを買うお金はない
  5. 金持ちはたくさん税金を払って貧しい人を助けるべきだ
  6. しっかり勉強しろ。そうすればいい会社に入れる
  7. 持ち家は人生最大の投資であり資産だ
  8. 会社が福利厚生などで従業員の面倒を見るべきだ
  9. 学位をとってしっかりした収入を得ろ

金持ち父さん

  1. 友人の父で後にハワイの指折りの大富豪になる人物
  2. 高校も卒業していないいわゆる低学歴
  3. お金がないことが諸悪の根源だ
  4. 「お金がない」は禁句だ。それをどうやって買うか考えろ
  5. 税金は働くものを罰して働かないものを楽にさせる
  6. しっかり勉強しろ。そうすればいい会社を買うことができる
  7. 持ち家は負債である
  8. 経済的に100%自立することを目指せ
  9. お金の働かせ方を学べ


どちらかといえば私たちは「貧乏父さん」的な思考で生きてきたのではないでしょうか?少なくともこれを読むまでは、私は「貧乏父さん」的思考で育ってきたと思います。私の育った地域では、進学校に入り、それなりの偏差値の大学に合格し、有名な名の通った企業に就職するか、公務員や医者や弁護士になることが、当時の言葉でいえば「勝ち組」であるとされていました。私の通っていた高校には、県内TOPの成績で入学してきた同級生がいて彼は私たちの高校のシンボリックな存在でした。彼を筆頭にそういった空気が教師やら親、ホワイトボード、教室、校舎自体から漂っていました。それを当たり前として受け入れて10代半ばごろを過ごしてきたのは言うまでもありません。

その後私は東京のなんの変哲もない大学の文学部に入学することになります。もちろん当時の私は素晴らしいヴィジョンも人々をあっと言わせるプランも持ち合わせていません。また大学4年間でそれらを身につけることもなく大学時代というトロピカルな季節は通り過ぎていきました。当時、マスコミは不景気だ就職氷河期だと必要以上に騒ぎ立てていました。私はそんな作り上げられた恐怖に駆られながらも運よく小売業界の会社に就職しました。それがこの本が出版された2000年のことでした。

私は社会人になり、当時住んでいた町田駅から数分歩いたところにあるブックオフに平積みされた「金持ち父さん 貧乏父さん」の記憶を容易に辿ることもできます。なかなかおしゃれな装飾で印象的なブックカバーでした。けれどその頃の私は、早いうちから部門の責任者をさせてもらい、仕事にやりがいを持ち始めた時期でもありました。どうやったら数字が改善するのか?どうやったらこの商品が売れるのか?上司の期待に応えたいとの一心で朝7:30〜夜10:00まで長時間拘束も苦とも思わず働きました。サービス残業をして会社の利益を上げ、その分評価をしてもらい給料を上げる。それが社会の当たり前だと思っていました。しかしこの会社は数年後、勇気ある内部告発者により、労働基準監督署の査察により過去の未払い分の残業代を全従業員に払うことになるのですが。

鈍感で馬鹿な私も、ようやくこの会社では自分の人生が好転しないことに気づき、ほどなくしてこの会社を辞めることになります。私は6年目の夏のボーナスを受け取ったその日にお世話になった上司に退職の意思を伝え、その12日後には会社を去りました。そこには不思議となんの感情もありませんでした。

その後、数ヶ月の就職活動の末、私は縁があって今の不動産会社に就職することになります。前の会社では得ることのできなかった自分の成長に焦点を当てて職を探しました。そこで資格取得が自己成長が確認できるのではということで入社しました。

もともと勉強は嫌いではなかったので手っ取り早く業界必須資格と言われる「宅建」に一発合格しました。その後、その周辺の資格もなんなくとっていき会社から支給される「資格手当」を稼いでいきました。そのほとんどが私にとっては価値の薄い資格に思えました。でも唯一その中でもFPの資格が私の興味を一番惹いたものでした。FPの勉強は保険、不動産、証券、税金など多岐に渡る金融知識が要求されます。会社から要求されていたのはFP2級でしたので最も容易に取得できた資格でした。けれどそれが私が初めて真剣に「お金」について体系的に学んだ時期となるでしょう。

就職してから4年後くらいでしょうか?私は今の妻と出会います。その頃対面式の某証券会社の営業の方が妻の実家に営業をかけてきて「毎月分配型の投資信託」を妻の両親が購入したとのことでした。妻がその営業の方を私に紹介してくれて会うことになります。私は「投資信託かあ。FPで勉強したな。」みたいな軽い感じで大手の証券会社の方と会うことになり、その「金融商品」を買うという大人になったような雰囲気に悦に入りながら、なんの疑いもなく「毎月分配型の投資信託」を購入します。

購入後しばらくして「毎月分配型投資信託」からの分配金に喜んでいるも、毎月分配型の商品はいわゆる「タコ足配当」ということがわかり手放すこととなります。この経験をきっかけに机上の勉強は意味をなさないことを悟り、インプットし実践するようになっていきます。カンチュンド氏の積み立て投資の本から入り、山崎元氏、内藤忍氏、橘玲氏の著書をはじめとしたいろいろな投資本を読んでインデックス投資を実践するきっかけになりました。その自分の中の投資本ブームの流れで「金持ち父さん 貧乏父さん」も自然と読むことになります。発売後13年の月日が経っていました。

「金持ち父さん」の考え方は「貧乏父さん」的な私の過去の人生を全否定されたような気分になりました。それまで私はただ単に給料や支払いのために働き、そして疲弊していました。このお金を働かせる考え方とか、続編に出てくる働き方をESBIに分ける「キャッシュフロー・クワドラント」の考え方は私もいち早く「E」から「I」に移行しなくてはならないと思わせてくれます。それは今でも投資のモチベーションとなっています。

私はよく考えます。社会人なりたての2000年当時に町田のブックオフでこの本を手に取っていたならばどういう20代を過ごして、現在に至るのだろう、と。間違いなく最初に入った会社とかはすぐ辞めてただろうし、もっとお金について積極的に学んで豊かになるための行動をしていたでしょう。きっとまったく違う人生になっていただろうなと思います。

  • E=Employee(従業員)
  • S=Self-employed(自営業者)
  • B=Business owner(ビジネスオーナー)
  • I =Investor(投資家)
    BとSが経済的自由につながるとされています。EとSは自分が働けなくなると稼げなくなるがBとIは自分が動かなくても稼いでくるため。

※この「金持ち父さん 貧乏父さん」のキャッシュフローゲームを入り口にネットワークビジネス(マルチ商法)の勧誘などもあるようなのでご注意ください。

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